中国が日本産水産物の輸入を再停止した直後、台湾の頼総統と林外交部長がXに日本産ホタテなどの写真を投稿したことが話題となっています。
そんな新日の姿勢が伺われる頼清徳さんはどんな人で、なぜ新日と言われるのか調べてみました。
頼清徳氏のプロフィール

頼清徳(らい せいとく、ライ・チントー)氏は、1959年10月6日生まれの65歳で、現在の台湾(中華民国)の第8代総統です。
苦学から医師、そして政治家へ
頼氏は新北市万里区の貧しい炭鉱労働者の家庭に生まれました。生後3か月で父親を炭鉱事故で亡くし、母親が拾った石炭を売るなどして家計を支える厳しい環境で育ちました。苦学して台湾大学医学部に進学し、その後ハーバード大学公衆衛生大学院で修士号を取得した経歴を持ちます。
医師として成功大学病院で内科医を務めた後、1995-1996年の第三次台湾海峡危機を契機に政界入りを決意。立法委員(国会議員)を4期、台南市長を2期、行政院長(首相)、副総統を経て、2024年5月20日に総統に就任しました。Wikipedia
頼清徳氏が「親日」と言われる3つの理由
1. 安倍晋三元首相への深い敬意と追悼活動
頼氏の親日姿勢を最も象徴するのが、安倍晋三元首相に対する敬意の表し方です。
具体的な行動
- 2024年7月、安倍元首相の三回忌に際してビデオメッセージを寄せ、「台湾が今日、平穏と平和を享受できるのは安倍晋三氏の先見性のおかげだ」と語りました。台湾駐日代表処
- 2025年7月8日の安倍氏死去3年目には、日本語でXに追悼メッセージを投稿し、「台湾に対する友情に感謝」を表明しました。時事通信
- 2025年9月21日には、世界初となる「安倍晋三研究センター」の除幕式に出席。安倍氏の妻・昭恵さんと共に看板を除幕し、「台日協力の土台に」と述べました。朝日新聞
2. 日本語でのメッセージ発信と言語に対する親しみ
頼氏は重要な場面で日本語を使用してメッセージを発信することがあります。
具体例
- 安倍元首相への追悼メッセージを日本語でXに投稿
- 日本関連の重要な発表や挨拶の際に、通訳を通さず直接日本語で感謝の意を表すことがある
これは台湾の政治指導者としては珍しく、日本に対する特別な親近感を示すものと受け取られています。
3. 歴史認識と日台関係重視の政策姿勢
頼氏は日本の台湾統治時代(1895-1945年)について比較的肯定的な歴史認識を持ち、現在の日台関係を極めて重視する姿勢を示しています。
政策的な表れ
- 2024年5月の総統就任式には、過去最大規模となる日本から30人超の代表団が参加
- 「日本との関係を重視する頼清徳総統のメッセージ」として、台湾の重要ポストに日本人を起用するなど、実務レベルでの日台協力を推進
- 地域の平和と安定のために日本との協力関係強化を明言
東京新聞によると、頼氏は中国と距離を置く一方で日米両国との関係を重視し、特に経済分野を中心とした日台協力関係の継続を図っています。
まとめ
頼清徳総統は、炭鉱労働者の息子から医師、そして台湾のトップリーダーへと上り詰めた苦労人です。彼が親日と言われるのは、単なる政治的配慮を超えて、安倍元首相への深い敬意、日本語での直接的なコミュニケーション、そして日台関係を戦略的に重視する姿勢に表れています。
特に「安倍晋三研究センター」の設立支援は、台湾の政治指導者として異例の取り組みであり、頼氏の親日姿勢を象徴する出来事と言えるでしょう。


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