名古屋経由の密輸ルートの実態

2025年6月、日本経済新聞の独自調査により、中国の犯罪組織が日本の名古屋を拠点として、合成麻薬フェンタニルを米国に密輸していた疑いが明らかになりました。
密輸の仕組み
- 製造国: 中国(武漢市などの化学品メーカー)
- 中継地: 日本(名古屋市の法人「FIRSKY株式会社」)
- 最終目的地: アメリカ
この背景には、中国政府が2019年にフェンタニル類を包括的に規制薬物に指定したことで、直接の輸出が困難になったため、日本経由での迂回ルートが利用されるようになったという事情があります。日本経済新聞
なぜ前かがみになるのか:医学的メカニズム

フェンタニル使用者が前かがみの姿勢(「フェンタニル・フォールド」や「ゾンビポーズ」)を取る理由は、以下の医学的なメカニズムによるものです:
1. 神経筋への影響
- 中枢神経抑制: フェンタニルが中枢神経系を強く抑制し、意識レベルが低下
- 筋肉の硬直: 合成オピオイドが体幹部の筋肉に広範囲な硬直を引き起こす
- 筋肉制御の喪失: 脳からの正常な姿勢制御指令が届かなくなる
2. 身体的な変化
- 呼吸制限: 体幹筋の硬直により呼吸が制限される
- 血行不良: 長時間同じ姿勢により循環が悪化
- 脂肪組織への蓄積: フェンタニルが体内の脂肪組織に蓄積され、長時間効果が持続
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の中毒医学教授ダニエル・シカローネ博士は「意識の喪失と筋肉制御の喪失が組み合わさった状態」と説明しています。ABC7 News
フェンタニルの深刻な影響
致死性の高さ
- モルヒネの100倍、ヘロインの50倍の効力
- 致死量はわずか2ミリグラム
- 2023年にアメリカで7万人以上が過剰摂取で死亡
社会的影響
- 18-45歳の死因第1位がフェンタニル乱用
- 「ゾンビタウン」と呼ばれる地域が全米に拡大
- フィラデルフィアのケンジントン地区などで深刻な問題
トランプや国際的な対応
アメリカの対応
- トランプ政権がメキシコ、カナダ、中国に関税措置を発表
- 駐日アメリカ大使が日本政府に協力を要請
日本の対応
- 岩屋外務大臣が「許可を得ない輸出入は絶対に許さない」と表明
- 愛知県が関連事業所への立ち入り検査を実施
このように、フェンタニルの問題は単なる薬物問題を超えて、国際的な密輸ネットワークと深刻な健康被害を伴う現代の「アヘン戦争」として位置づけられています。前かがみの「ゾンビポーズ」は、この危険な薬物の神経系への深刻な影響を象徴的に示す症状といえるでしょう。


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